西国霊場三十三カ所の23番・勝運の寺【勝尾寺】を徹底解説!
大阪府箕面市にある勝尾寺(かつおうじ)は、高野山真言宗の寺院で山号は応頂山(おうちょうざん)。西国三十三所巡礼の旅、第23番札所で本尊は十一面千手観世音菩薩で、1300年の歴史を誇るお寺です。
また、法然上人二十五霊場(ほうねんしょうにんにじゅうごれいじょう)では、全二十七箇所ある中の第5番目で、寺名は二階堂と呼ばれます。
奉納されているたくさんのダルマで知られ、全国から多くの参拝者が訪れています。紅葉シーズンは、周辺の山の一部が赤く染まり、緑と赤のコントラストが美しい景色も堪能でき、大阪でおすすめの紅葉スポットのひとつでもあります。
今回はそんな勝尾寺についてまるごと解説します。
1.どんなご利益があるの?
・勝運祈願
にご利益があるとされています。
勝ち運祈願のダルマは、合格、商売繁盛、恋愛成就、スポーツの勝利と様々な願いを成就させるとされています。
また、勝尾寺では亡くなった方のご供養も行われています。
・水子供養・・・「死産」「流産」で亡くなった子どもの供養
・先祖供養・・・ご先祖様への供養
・人形供養・・・大切にしていた人形の供養
上記3つのご供養を毎日されているとのことですので、ご供養されたい方は一度勝尾寺にまず問い合わせをしてみてもよいかと思います。
2.勝尾寺の歴史
勝尾寺の起源は奈良末期にまで遡ります。
神亀4年(727年)に藤原致房の子供の善仲と善算が、草庵を築いたのが初めとされています。
その後、天平神護元年(765年)に光仁天皇の皇子である開成が、善仲と善算に師事し、仏門に入ったとされます。
そして宝亀六年(775年)に勝尾寺の前身となる弥勒寺を建立します。
宝亀11年(780年)妙観という名の仏師が弥勒寺を訪ね、約1ヶ月間で十一面千手観音を彫刻しました。これが勝尾寺のご本尊となります。
勝尾寺は寿永3年(1184年)に源平内乱により一度焼失しますが、その後、文治4年(1188年)に再建されます。薬師堂は当時のものが残されており、山門と本堂は豊臣秀頼により再建されて現在にまで至ります。
3.お守りや御朱印
勝ち運祈願で有名なこともあり、お守りも「勝」にこだわったものが多いです。
また、勝ちダルマ守りと呼ばれるお守りもあり、勝尾寺ならではの特徴的なお守りも印象的!種類はざっと26種類ほどあります。
勝尾寺の勝ちだるま祈願
勝尾寺といえば、ダルマを使って自分の願いを祈願する「勝ちダルマ」が有名です。
この「勝ちダルマ」は、自分の願いを込めながらダルマの右目に目を入れ、願いが成就したら、ダルマの左目に目を入れてダルマをお寺に奉納します。
この勝ちダルマの目の入れ方には作法があり、詳しくは以下のとおりです。
①勝ちダルマを選ぶ
自分にご縁があると感じたダルマを選びます。
ダルマにはサイズがあり、サイズが大きくなるにつれて値段もあがっていきます。
10号: 2,000円
8号: 3,500円
7号: 5,000円
2号:70,000円
②目標、人生の目的を明確にしてダルマに書く
この1年間で叶えたい願い(目標)をダルマの背中に書きます。目標の先にある、人生の目的をダルマの底面に書きます。
③感謝の時間
線香数本に、今回の願いに関わる人々やもの対する感謝の気持ちを込めて念じます。
④薫香(くんこう)
3で煙に形を変えた感謝の気持ちをダルマ全体に染み込ませます。
⑤自分自身への誓い
今回祈願する願いを叶えるために努力を惜しまないことを自分自身に誓い、ダルマの右目(向かって左側)に目を入れます。
⑥成就(目標達成)
願いが叶ったら目標達成の証として、ダルマの左目に目を入れます。
⑦お寺にご報告
⑧奉納
このような手順でダルマに願いを込めて勝ち運祈願を行います。
4.勝尾寺の見どころ
勝尾寺の1番の見どころは、紅葉シーズンに特別夜間のライトアップが楽しめるところです。
例年11月中旬~12月上旬まで、もみじまつりが開催され、多くの人で賑わいます。
もみじの赤と7色に輝くライトが融合し、幻想的な空間が多くの人々を魅了しています。
時間は日没から19時30分までと比較的時間が早いので、ライトアップを楽しみたい方は、早めに足を運ぶとよいですね。
また、特別夜間のライトアップに時間、日程的に間に合わないという方は、お昼間の紅葉にいくのも超おすすめです。
関西でも有数の紅葉スポットとして知られ、その美しさをひとめ見るために遠方から足を運ばれる方もいらっしゃるほどです。
紅葉の色づきはじめが11月上旬~11月中旬、見頃は11月中旬~12月上旬といわれていますので、この時期を狙って、カップル、ご家族、友達と秋の空気感、鮮やかに彩られる赤の風景を楽しんでみてはいかがでしょうか。
ちなみに昨年の紅葉はこんな感じです。
5.勝尾寺はヒルクライムの絶好スポット
勝尾寺に行くまでのルートは、ほどほどの傾斜と距離で初心者にも登りやすい人気のヒルクライムコースといわれています。
大阪北摂ヒルクライムの聖地と呼ばれるほどロードバイカーに人気のコースですので、勝尾寺に行く途中でヒルクライムを楽しんでいる方を眺めながらアクセスしてみても面白いかもしれません。
6.お土産
勝尾寺の境内には、疲れたら小休憩できるお茶屋さんがあります。
このお茶屋さんの一角にお土産コーナーがあります。
お土産を売っているお寺というのも非常に珍しく、それだけで興味深いですが、売っている商品もダルマにちなんだ商品でそのユニークさにも目が引かれます。
勝尾寺にお参りした記念にお土産を買っていくのもよいですね。
7.勝尾寺詳細情報
電話:072-721-7010
入山料金:
一般大人500円
子供 (小・中)400円
未就学児100円
拝観時間:
平日 8:00〜17:00
土 8:00〜17:30
日祝 8:00〜18:00
※参拝受付は閉門15分前まで
8.アクセス
■電車・バス:
阪急千里線 北千里駅または北大阪急行 千里中央駅より
阪急バス29系統 北摂霊園・希望ヶ丘四丁目行き
(平日3往復・土日祝6往復)利用
「勝尾寺」停留所下車
■車:
・名神高速道路「茨木インター」より国道171号線経由、「清水」交差点右折(約15分)
・近畿自動車道・中国自動車道・名神高速道路「吹田インター」より中央環状線・国道423号線経由、白島交差点右折、「栗生外院」交差点左折(約10分)
・中国自動車道「池田インター」より中央環状線・国道423号線経由、白島交差点右折、「栗生外院」交差点左折(約10分)
注意:国道171号線経由での大型車両の通行は清水・萱野の各交差点からお越しください。
駐車場:有(約350台)
料金:普通車
1時間まで:500円
以降30時間毎:200円
大型・中型バス:2,000円
小型・マイクロバス:1,000円
9.まとめ
いかがでしたでしょうか。勝尾寺についてご紹介してきました。
勝尾寺といえば、やはりだるまは外せないので、「勝ちだるま祈願」はぜひ体験してほしい
です。目をくるくる書きながら楽しくご祈願ができ、とても新鮮な感覚を味わうことができるのでおすすめです。
また、境内の至る場所にダルマがあり、さまざまな表情のダルマを見ながら、境内を歩くだけでもとても楽しいです。
これからの時期は紅葉シーズンで、紅葉色に彩られた境内を楽しむこともできます。
大阪市内から比較的近い場所に位置していますので、ぜひ一度足を運んで勝尾寺の良さを体感してみてください。