松花堂庭園を100%楽しむ方法!庭園案内ボランティア「おみなえし」をご紹介
京阪電車樟葉駅からバスで12分ほどの距離にある松花堂庭園は、とてもすてきな庭園や竹林を見ることができます。そんな松花堂庭園を100%楽しむために是非知っておいていただきたいのが、庭園案内ボランティアさんが松花堂庭園を案内してくださる「おみなえし」です。
「聞いたことないね」
ですよね!松花堂庭園のホームページでも、小さくしか紹介されていませんから、知らない方が多いのは当然なんです。実は私も知りませんでした。
実際に「おみなえし」を利用してびっくり!庭園のことを詳しく理解できて、とても楽しむことができました。是非利用するべき!と思い、私の感想も含めて紹介していきます。
松花堂庭園に行ってみたかったけれど、どうしようか迷っていた。そう思われていたのでしたら、ここで「おみなえし」の庭園案内を体験されてみてはいかがでしょうか。
あと、松花堂庭園へのアクセスも、電車とバスを利用する方法、自動車で訪れる道順、の2つを紹介しています。では、さっそくご紹介していきます。
目次
1.松花堂庭園とは
ボランティアさんによる庭園案内をご紹介する前に、少しだけ松花堂庭園(以下、松花堂)についてご紹介しておきます。
松花堂は、江戸時代初期のお坊さん、松花堂昭乗(しょうかどうしょうじょう)が、石清水八幡宮がある男山に作った草庵(そうあん)が始まりです。
1891年(明治24年)に、男山から現在の場所に移されました。2014年(平成26年)には、国の名勝(めいしょう)に指定されています。
やっぱり、松花堂は、一度は見ておきたい場所なのですね。
カンタンに松花堂をご紹介しました。それでは、お待ちかねの、庭園案内についてご紹介します。
※草庵とは、屋根を藁(わら)・茅(かや)で作った粗末で小さい家のことです。
※名勝とは、文化財保護法によって指定された、特に価値の高いとされる名所です。
2.庭園案内を利用しないと損なわけ
松花堂では、入園するときにパンフレットがもらえます。
写真ではちょっと見にくいですが、松花堂の見どころが紹介されています。しかし、パンフレットだけでは松花堂の見どころを100%楽しむことができません。是非「おみなえし」を頼んでください。
ボランティアさんに案内していただくと、こんなに色んな情報を知ることができるんです!その一部をご紹介しましょう。
①クロチク
松花堂のパンフレットには、約40種類の竹や笹が庭園内にあると書かれています。でも、それぞれの特徴は書かれていません。
この竹はクロチクといって成長が進むと黒くなる竹です。この竹、ガイドさんがいなかったら通りすぎてしまいます。私たちのほかにも見学されている方がいましたが、皆さん通りすぎて行ってしまいました。
この竹がなぜ黒くなるのか。それはメラニン色素が多く、日に当たると黒くなるからです。
このことを聞いて、「人と同じですね」なんて感想を、ボランティアさんに言ってしまいました。
でも、ガイドさん。スルー。
ええ、プロのガイドさんではありませんから。ガイドをしてくださるのは、ボランティアさん。ですから、説明するだけで、受け答えに余裕がないのかもしれません。
でも、見どころはきちんと説明してくださいましたから、ご安心を。
②コンジョウマツ
これはパンフレットに載っていないので見逃します。
ズームしてみましょう。
大きな石に松が生えています。もう20年くらいになるそうで、コンジョウマツと呼ばれています。きっと根性松と書くんですよね。なんか応援したくなりますよね!
いかがですか。これだけでも案内をお願いするメリットがあると思いませんか?
3.ほかにもパンフレットでは分からない見どころが!
松花堂には、松隠(しょういん)、竹隠(ちくいん)、梅隠(ばいいん)の3つの茶室があります。パンフレットにもそれぞれの特徴が書かれていますが、「このような建物です」というようなことしか書かれていません。
こちらの茶室は竹隠。ガイドさんの説明によると、見どころは入り口が2つあることだそう。小さなお茶室に2つの出入り口があるのは、とても珍しい作りなんだそうです。
写真では、奥の小さな入り口が「躙り口(にじりぐち)」。手前が「貴人口(きにんぐち)」。
躙り口は膝をついて、にじるようにして入ることからこの名がついたそう。貴人口は貴人用の出入り口で立って入れる出入り口だそうです。
茶室の窓からこの景色を見ながら、お茶を頂いていたんですね。落ち着きますね。
③水琴窟(すいきんくつ)
これが水琴窟です。パンフレットには「透明感のある音が聞こえます」と書かれていますが「どうすれば音が聞けるのか?」ということは書かれていません。
実は、手前にある竹に耳を近づけると美しい音が聞こえるんですが、ガイドさんがいなければ「聞こえなかったね」と言って、水琴窟の美しい音を体験できないまま帰宅する、ということになるかもしれません。
とても不思議な音がするんですが、なぜ、このような音がするのか?設計図をもとに説明してくださいました。なるほど!知りたい方は是非、水の音を聞いて、ガイドさんに説明してもらってください。
④天然記念物の竹
キンメイモウソウという名の竹です。軸が黄色で一部が緑色になっている、とても珍しい竹。天然記念物に指定されています。
ギンメイチクという名の竹。先ほど紹介したキンメイモウソウと色の配置が反対に。
これらの竹も、ガイドさんがいないと見落としますよ。
⑤「おみなえし」とは
おみなえしを漢字で書くと「女郎花」。この花には悲しいお話があります。
むかし、京の都で宮仕えをしている男がいました。京に上るたび、ある美しい女性に恋をして深い仲になりました。
ところが、女性のもとに、男が現れなくなってしまった。
「男の身に何かあったのでは」と心配した女性が、男の家を訪ねてみると。
そこには別の女性が。
あまりの悲しさに、女性は川に身を投げてしまったと。その女性を哀れに思った人たちが塚を作ったそう。その塚の名前が「女郎花塚(おみなえしつか)」。
女郎花塚は、松花堂にあります。ガイドさんからは、こんなお話を聞くこともできました。
ガイドさんがいなければ知ることができなかったことが、ほかにもたくさん。松花堂を訪れるときは、ぜひ、案内ボランティアさんを利用してみてください。
4.庭園の見学は外園のみ
松花堂は、2018年(平成30年)の大阪北部地震、台風21号の影響で内園を見学することができません。そのため入園料金も100円(通常は400円)となっています。(2019年12月時点)
まだ、復旧の途中。内園の見学ができるようになる時期は、2019年(令和元年)12月時点で未定です。
とても残念ですが、外園だけでも庭園の美しさを楽しむことができました。
庭園ボランティアさん、いかがでしたか。
「うん、利用してみたい」と思われた方のために、申し込み方法などをご紹介します。
5.庭園案内の申し込み方法と料金
庭園案内の申し込みは、電話で予約が必要です。
私が松花堂を訪れた2019年12月時点では、日曜日でも前日に予約をすることができました。庭園案内は、まだ広く知られていないこともあって予約はとりやすいでしょう。
ただ、午前と午後1組ずつとなりますから、希望する日に予約ができないことも考えられます。予定が決まったら、できるだけ早めに予約することをおすすめします。
受付時間:9:00~17:00
休園日:
毎週月曜日及び、12月27日~1月4日。
(月曜日が祝日の場合はその翌平日)
5-1.料金は?
無料です。
5-2.時間はどのくらいかかるの?
このような感じでガイドしてくださいます。
庭園案内の時間は40分~1時間くらい。案内の時間は私たちの都合で決めることができます。予約のとき、そして当日にも聞いてくださいますからご安心ください。
私たちは40分くらいでお願いしました。ちょっと急ぎ足という感じでしたから1時間くらいがゆっくりと見ることができていいのではないでしょうか。
6.食事ができるところはあるの?
「京都吉兆 松花堂店」が庭園入り口のすぐ横にあります。京都吉兆は、松花堂弁当を開発したお店。こちらのお店では松花堂弁当と懐石がいただけます。
営業時間は、ランチが11:00~17:00(ラストオーダーは14:30)、ディナーは17:00~19:30(3日前までの完全予約制)。喫茶タイムが15:00~17:00。
お値段はびっくり!松花堂弁当が5,100円(税込)~、懐石は13,300円(税込)~となっています。喫茶タイムはコーヒーが510円(税込)、ケーキセットが710円(税込)と、こちらは比較的リーズナブル。
お値段がお値段ですが、松花堂弁当一度は食べてみたいですね。
7.アクセス
ここでは、松花堂へのアクセスを2つご紹介します。
・京阪電車樟葉駅からバスを使ったアクセス
・自動車でのアクセス
まずは樟葉駅からのアクセスです。
7-1.京阪電車樟葉駅からのアクセス
樟葉駅の出口です。樟葉駅の出口は1カ所。直進します。
出口を直進するとバスターミナルがあります。「2A」のりば、「32」京阪八幡ゆきに乗車します。
「2A」のバス停に来るバスは、すべて松花堂の最寄バス停「大芝・松花堂前」に停車しますが、「32」京阪八幡行のバス停が松花堂に最も近いバス停になります。
ここでは「32」のバスを利用することをおすすめします。
2Aのりば「32」京阪八幡行バスで、松花堂の開園中に間にあう発車時刻を表にしました。
9:00~15:00 | 19 49 |
平日、土日祝日とも同じ発車時間です。
「大芝・松花堂前」バス停を降りたところ。バスの進行方向と同じ方向に進むと、左手に松花堂の入り口があります。
こちらが入り口です。お疲れさまでした。
帰りのバス停は、少し離れています。
帰りのバス停は、松花堂の入り口を出て右へ。
樟葉からのバスを降りたバス停を超えて進みます。
「月夜田」交差点を越え、車道を渡り、さらに右へ進みます。
こちらが、樟葉ゆきのバス停。
10時台~17時台の樟葉駅ゆきバスの発車時刻を表にしておきます。
【平日】
10:00~16:00 | 01 11 31 41 |
17:00 | 01 03 33 48 |
【土曜日】
10:00~11:00 | 01 11 31 41 |
12:00~16:00 | 01 12 31 41 |
17:00 | 03 12 42 44 |
【日曜・祝日】
10:00~11:00 | 01 11 31 41 |
12:00~16:00 | 01 12 31 41 |
17:00 | 01 12 42 |
松花堂から帰りのバス停までは2~3分くらい。信号も2回渡りますから、発車時刻には余裕を持っておくほうがいいでしょう。
7-2.車でのアクセス
大阪方面からですと、国道1号線「八幡一ノ坪」交差点を左折。京都方面からでしたら、右折。
標識を拡大。「←松花堂庭園・美術館」とあります。
八幡一ノ坪を曲がったら、1つめの信号を左折。
すぐに、「松花堂庭園・美術館→」の標識があります。
松花堂の入り口です。お疲れさまでした。
8.データ
住所:京都府八幡市八幡女郎花43番地の1
TEL:075-981-0010(松花堂庭園事務所)
受付時間:9:00~17:00
入園料:大人100円、学生80円、子供(小・中学生)50円
※2019年12月時点
休園日:
毎週月曜日及び、12月27日~1月4日。
(月曜日が祝日の場合はその翌平日)
アクセス:京阪電車樟葉駅からバス12分、徒歩すぐ
9.まとめ
庭園案内ボランティアはいかがでしたでしょうか。
パンフレットだけでは知ることができないことを、たくさん教えてくださいます。しかも、無料で。
ボランティアさんに案内してもらえるということは、まだまだ広く知られていませんから、利用するなら今がチャンスでしょう。
大切な休日にせっかく訪れるのですから、100%楽しみたいですものね。
あなたの休日が、素敵な1日となることを願っています。
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