【大阪の世界遺産】百舌鳥・古市古墳群!見るべき古墳と周辺のおすすめスポット
2019年7月に世界遺産登録された百舌鳥・古市古墳群。
大阪唯一の世界遺産ですが、
「古墳ってただの森…」
「森見てもしゃーないやん、中も入られへんし…」
と思われがちで、いまいち楽しみ方がわからない方もおおいのではないでしょうか。
それはもったいない。
なんてったって世界遺産。
エジプトのピラミッド、フランスのモンサンミッシェル、中国の万里の長城と同じ、世界が認めた文化遺産なのですよ!?
ピラミッドにはそう簡単には行けませんが、百舌鳥・古市古墳群なら、ちょぃと電車に乗れば行けちゃうのですから、訪れないなんてもったいないと思いませんか??
「って言うても、森やん…」
という声が聞こえるようです。
確かに、一見するだけではただの森にしか見えない古墳ですが、その楽しみ方をお教えしたいと思います。
これを読めば、きっとアナタも古墳にコーフンしてきちゃう…はず♡
(上空東から見た百舌鳥古墳群〈堺市提供〉)
目次
1.そもそも百舌鳥・古市古墳群ってなんなんだい
古墳というのは、およそ1600年前のエライ人のお墓。でも必ずしも人が眠ってるわけではなくて、陪冢(ばいちょう)という、宝物とか武具とかだけを納める古墳もあります。
さて、この古墳、全国にいくつあるでしょうか~~?
100?いや、500か、もしや1000くらい?
チッチッチ。
全国、南は鹿児島、北は岩手まで、全部あわせて約16万基あります!実は、全国のコンビニよりも多いのです!!
日本中古墳だらけにもかかわらず、百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に登録されたのは、やはりこの地こそが古墳時代の文化を代表するから。そして、1600年の時を経て、どれほど街が開発されようとも、百舌鳥44基・古市45基という相当な数の古墳が形を留めて現存するから!
(※世界遺産に登録されているのは、百舌鳥23基・古市26基です)
(上空南から見た古市古墳群〈羽曳野市教育委員会提供〉)
そう、16万基あるといっても、市街地に古墳がゴロゴロ存在する街はかなりレアなのです。
しかも、百舌鳥・古市古墳群にある古墳は、超ビッグサイズなものが多いのです。なんてったって、No.1が百舌鳥にあって、No.2が古市にある。一般的に、100メートルを超えたら巨大古墳といわれるのですが、そういうのがゴロゴロあります。
やはりね、大きい古墳=エライ人、なのです。全国あちこちにある大きな古墳は、地方豪族のお墓。対して、大阪や奈良には大王(おおきみ)のお墓がたくさんあります。
大王、つまり、むかーーしむかしの天皇が眠っているのです。
百舌鳥・古市古墳群には、かの有名なヤマトタケルから、27代・安閑(あんかん)天皇まで、12人の皇族の墳墓が集中しています。
日本一大きなお墓に眠るは第16代・仁徳(にんとく)天皇。仁徳さんを中心にしたファミリーが、百舌鳥・古市にギュッとつまってるのです。そして、このファミリーがいた時代こそが、古墳時代の中心なんですね。
古墳時代のロマンがギューッとつまっている、それが百舌鳥・古市古墳群!
とはいえ、歴史好きな方でもなければ、天皇とか古墳時代のこと話されてもピンとこない…ですよね。もっとシンプルにコーフンできるように、見どころ・グルメ・お土産情報をご紹介いたします♪
2.百舌鳥古墳群のコーフンポイント
2-1.日本一はここにあり!仁徳親子の古墳
(上空南から見た仁徳天皇陵古墳〈堺市提供〉)
百舌鳥古墳群には44基の古墳があり、世界遺産登録されているものだけでも23基あります。
徒歩、あるいはレンタサイクルで、1日で全部巡ることも可能ではありますが、まずはぜひ訪れてみてほしい3つの古墳をご紹介します♪
①仁徳天皇陵古墳
(三国ヶ丘駅にある〈みくにん広場〉から見た仁徳天皇陵古墳♪)
まずはなんてったって、日本一の大きさを誇る仁徳(にんとく)天皇陵古墳!
長さ486メートル!ですが、これは鍵穴の形の部分だけなので、古墳を囲む濠(ほり)や堤(つつみ)を含めるともっと大きくて、その周囲をぐるっと一周歩くと約3キロもあります。
(仁徳天皇陵古墳の東側の道)
ちなみに、長さだけでいうと世界の他のお墓と比べてもダントツで大きいのです。
(世界No.2の大きさをもつ中国の始皇帝陵で長さ約350メートル。クフ王のピラミッドで230メートル)
天皇陵には、拝所という部分が設けられているので、「3キロも歩いてられへんわ!」という方はココだけ目指してみてください。JR阪和線百舌鳥駅からなら、歩いてすぐです。
(鳥居の向こうが古墳)
鳥居の奥に見えるのは…森。
ですが、古墳を楽しむには想像力が重要です。
1600年前に造られたものなのですよ…
大阪城なんかより古い…四天王寺よりも古い…1600年も昔に造られたもの…
当時は、土と石を積み上げただけだったのです。
それが、1600年の年月をかけて森になったのです…
木が生えたのは自然によるものですが、この形を造りだしたのは1600年前の人々…
何の機械もない時代に、ここまでのものを造り上げるのには、1日に2000人が働いたとしても15年8カ月もかかるのです。
昔はもっと海が近くて、当然古墳の周りに建物なんてほぼない状態…つまり、海から来たよその国の人からしたら、恐ろしいほど大きな墳墓が見えるわけです。
「そんな…民衆にこんなでっかいお墓造らせることができるなんて、どんなスゴイ王がいてるんや…!」と慄かされたことでしょう…
そして1600年の時を経て世界遺産に登録されたことで、今また世界中を驚かせているのです!!
森に見えるけど森じゃない。
古墳は1600年前の人工物なのです…!それだけでどう、すごいやん!?!?!?
(カモ。フェンスの向こうに行けるのは自然の動物だけ)
ある日、上町台地にあるウチから町を見下ろしましたら、どこもごはんを炊いてないのか煙がひとつものぼってなくて、これはちょっと税を重くしすぎたな…と。3年、税を集めることをやめまして、その間は私も質素な暮らしを心掛け、ようやく皆おいしくごはんが食べられるようになりました。その他、土木事業にも注力して川の氾濫を抑えるなど頑張らせてもらいました。おかげで皆に愛され、こうして日本一のお墓で眠らせてもらってます
所在地:堺市堺区大仙町
アクセス:JR阪和線「百舌鳥駅」下車 徒歩8分
駐車場:大仙公園仁徳御陵駐車場
②履中天皇陵古墳
仁徳天皇陵古墳から大仙公園を挟んで南側にある履中(りちゅう)天皇陵古墳。履中さんは、仁徳さんのご長男でございます。
長さ365メートルで、日本第3位の大きさを誇る前方後円墳です。
1つデカいのがあるだけでは、世界遺産にはならなかったといわれています。
デカい古墳が近距離にドンドン!とあることもポイントなのです!
とはいえ、いくら近距離にあるとはいえそれぞれの古墳が大きすぎて、仁徳さんの拝所から履中さんの拝所へ行くのはなかなか距離があります。
(履中天皇陵の拝所。JR阪和線上野芝駅が最寄り駅。1駅分離れてます。)
ぜひ拝所へ、とは言いましたが、大変であればこちらから⬇︎ご覧になることをおススメします。
履中天皇陵スペシャルビュースポット!!
大仙公園を抜けてすぐあります。お立ち台もあるため、フェンスを気にせず墳丘の撮影ができます♪
(お天気良すぎて逆光…(汗))
古墳にはいくつぐらいの植物があるのでしょうね…季節によっては花が咲いたり、赤や黄色に色づきます。また、朝日を浴びる姿、夕日に染まる姿…いろいろな景色を楽しめます。
が、ビュースポットは古墳の北側にあるので、昼間に撮影しようと思うともれなく逆光になります…(肉眼で見る分には最高です!)
天皇陵古墳は宮内庁が管理しているため(天皇家のお墓ですからね)、たとえ考古学のエライ研究者であろうとも、許可なく立ち入ることはできません。そのため、市街地でありながら自然が守られているという点も、貴重なポイント。
(履中天皇陵古墳西側の道。今は枯れちゃってるけど、桜並木が続いています。)
実は皇位につく前に弟に命を狙われたことがあって、誰も信じられなくなったのですが、2番目の弟が助けてくれました。なので、私の次は息子ではなく、感謝の気持ちを込めて2番目の弟に継いでもらいました。
父が朝廷の基盤を安定させてくれたので、私はその支配力を全国に広げるべく頑張りました。ちょっと失敗もしましたけど…ゴニョゴニョ
所在地:堺市西区石津ヶ丘1
アクセス:JR阪和線「上野芝駅」下車 徒歩5分
駐車場:なし
③反正天皇陵古墳
仁徳さん・履中さんとは少し北に離れたところにあります、反正(はんぜい)天皇陵古墳。
反正さんは、仁徳さんの三男、履中さんの弟です。
南海高野線堺東駅からすぐ、閑静な高級住宅街の中にあります。
長さは148メートルの前方後円墳で、仁徳天皇陵古墳と比べるとかなり小さく思われますが、全国で見ると十分な巨大古墳です。
『古事記』や『日本書紀』によると、反正さんは身長9尺2寸半(約3メートル)という長身で、歯の長さが1寸(約3センチ)・厚さ2分(約4ミリ)で上下ピシーッとそろった素晴らしく歯並びの良い美男子だったそうです。
イヤイヤイヤ、びっくり人間すぎる(笑)(笑)(笑)
さすがにそれは誇張表現だと思いますが、歴史書にそう書き遺されるくらい、めっちゃくちゃ歯並び良くて長身のイケメンだったのでしょう…拝所から、ぜひその姿をイメージしてみてください。
また、反正さんのおすすめビュースポットもあります。
それがココ。
堺市役所の21階にある展望ロビー!
東西南北360度見渡せるこちらの展望台、タダで登れるので登り得です(大阪人的思考)
遠くは生駒山や淡路島までぐるりと見渡せ、もちろん仁徳天皇陵古墳もここから見ることができますが、市役所からは反正天皇陵古墳が一番近いのでよく見えます。
すぐそこにタワマンもある住宅地に、巨大なお墓がある…よくよく考えたら、すごいことじゃありませんか?
天皇も歯が命。ウソです、他に大事なこともっとあります。でもよっぽど歯の印象が強いのか、私の都である柴籬宮(しばがきのみや)があった場所(現在の松原市)には、歯の神様として私が祀られています。柴籬神社、どうぞ来てください。歯を健康にします。
所在地:堺市堺区北三国ヶ丘町2
アクセス:
南海高野線「堺東駅」下車 徒歩4分
JR阪和線「堺市駅」下車 徒歩15分
駐車場:なし
2-2.コーフン必至、おなかも満足古墳グルメ
百舌鳥古墳群周辺には、古墳を模した美味しいグルメもあります!
古墳巡りで疲れたら、ちょっと喫茶店で一服しませんか~
〔Cafe SATO〕
JR阪和線百舌鳥駅を出てすぐあります、Cafe SATOさん。
昔ながらの喫茶店といった雰囲気で、「なつかしのナポリタン」とか、喫茶店で食べる「やきめし」とか、絶対美味しいやつ…!この日の日替ランチは「豚のかす汁」…!お母さんの味!
ちょうど、堺ボランティアガイドの方が一仕事終え、かす汁ランチでほっこり満たされてらっしゃいました♪
すごくそそられましたが、昼食を済ませてしまっていたので、私は目的のこちらを注文。
「KOFUNシフォン」と「KOFUNカプチーノ」の、「W古墳セット(¥1,100)」!!
どうですか!前方後円墳のこのラブリーなシルエット…!食べるのが惜しい…!
しかも、オリジナルの古墳皿にもうコーフンが止まりません!!
さらにお気づきでしょうか、伝票を挟んでいるクリップにハニワ…そして、シュガーポットもハニワ…!
かわいい…♡
各テーブルにシュガーポットハニワがいるのですが、ちょっとずつ表情が違うのもおもしろくて◎
見た目でもう胸いっぱいですが、シフォンのやさしい甘さにさらに口元が緩んでしまいます♡
シンプルなフワフワシフォンに、甘さ控えめのホイップクリームとママレードジャムが添えられています。ママレードのさわやかさがまたいい塩梅!
カプチーノは古墳を崩したくなくてそろりそろりと飲んだため、最後まで古墳が残ったのはよかったのですが…ココア古墳なので、混ぜたらカフェモカのようになって、それはそれで美味しかっただろうなぁと思います。古墳を眺めながら飲むもよし、一思いに混ぜて溶かして頂くもよし、お好みで(笑)
店内入り口にはちょこっと古墳グッズのお土産も販売されていますが、SATOさんでしか買えないお土産がこちら!
「KOFUNクッキー」!!
仁徳天皇陵とハニワをモチーフにアイシングされた手作りクッキーです♡
ひとつひとつ手作りなので、ハニワの表情がどれも絶妙に違うので、お気に入りを連れ帰ってください♪
所在地:堺市北区百舌鳥赤畑町3-140-1エイコビル1F
TEL:072-257-3955
営業時間:8:00~18:00
定休日:毎週水曜日・第4火曜日
アクセス:JR阪和線「百舌鳥駅」下車 徒歩1分
駐車場:なし
〔Co.FUN カフェ〕
こちらは南海高野線/JR阪和線三国ヶ丘駅からすぐ近くにあります、Co.FUN(こ・ふん)カフェさん!
お店の真横に古墳があります!
(これは仁徳天皇陵古墳の陪冢、源右衛門山(げんうえもんやま)古墳)
さぞ古墳好きなオーナーさんなのだろうと思ったらそうではないらしく、
「私自身は古墳ぜーんぜんわからんのやけど、いろんな人たちが集まるカフェをつくりたくってね?“Co.”は「コミュニケーション」、“FUN”は「楽しい」っていう意味で、楽しくコミュニケーションをとれるっていう意味と、せっかくこの場所なんだからって「古墳」をかけてみたの」
とのこと!
オーナーさんはおしゃべり上手で、ちょっとおちゃめな大阪のオカンといった雰囲気の方。古墳好きで訪れるお客さんももちろん多いですが、地元の常連さんも多く訪れては、オーナーさんやお客さん同士でおしゃべりを楽しんでいらっしゃいます◎
私が訪れた日は、なんと堺市博物館の学芸員をなさっているおじさんもいらっしゃって、オーナーさんも交えてとても楽しいお話をさせていただきました!
さて、こちらでもまたケーキをいただいちゃいました♡
甘いものは正義…!
「Co.FUNロールケーキセット(¥770)」!!
ドリンクは抹茶かコーヒーを選べます。「堺で抹茶…?」と思いますか?
堺こそ抹茶!!なんてったって、あの千利休が生まれた地ですからね…!!
抹茶スポンジの堤…生クリームの濠…そして抹茶ムースでできた古墳…!抹茶好きにはたまりません!堤も濠も美味しいのですが、できればもう少し古墳が大きければいいのに…と思うくらい、抹茶ムースの部分が美味しいです♡甘いケーキにお抹茶も合う…◎
こちらの古墳グルメはこれだけじゃあありません。
古墳丼!!
前方後円墳型の器が素敵すぎる…!(白いボロネーゼも気になりますが…)
そしてなにより、Co.FUNカフェの人気No.1はこちら!
(Co.FUNカフェさんご提供)
Co.FUNかき氷、通称古墳氷!!
後円部がもりもりすぎるかき氷。氷の上には高級抹茶を贅沢に使用したフワフワ抹茶エスプーマがこんもりのっています!
さすがに冬に食べたら体ひえっひえになりそうですが、好きな人は冬でも食べに来られるとか。
わたしは以前、暑い時期にいただきました。二人でシェアしても十分満足できる大きさですが、これまた好きな人は一人でぺろりと食べちゃうんだとか。ヒェェ。
抹茶エスプーマは甘さ控えめ、というよりしっかり抹茶の苦みが感じられます。なのでお好みで付属の練乳をかけたり、前方部のあんこや白玉と一緒に食べると◎
抹茶エスプーマ以外にも、ミックスジュース味のエスプーマが盛られた古墳氷や、季節限定の古墳氷もあるのでぜひ一度ご賞味ください♪
所在地:堺市堺区向陵西町4-11-15
TEL:072-249-2468
営業時間:
カフェ 10:00~18:00
Bar 18:00~22:00(要予約)
定休日:火曜日
アクセス:南海高野線「三国ヶ丘駅」下車 徒歩2分
駐車場:2台
2-3.みんなにも分けてあげよう♪おみやげ古墳
目で見て満足、食べてお腹も満足…となったら、あとはお土産ですね!
古墳の街・堺ならではのお土産を買って、ご家族・お友達にも世界遺産行ってきた自慢しちゃってください!
〔Co.FUN カフェ〕
先ほどグルメ紹介でも登場したCo.FUNカフェさんには、お土産もたくさんあります♪
けして広くはないスペースですが、ぎゅぎゅっとコーフンがつまっております!
こちらが人気No.1の古墳&埴輪マグネット!
ちなみに、私はマグネットは持っておりませんが、手前の置物はコンプリートしております♡
木製のやさしいフォルムが可愛らしくて、お気に入りです♡
世の中には古墳好きなクリエイターさんが多々いらっしゃって、色んな作風の古墳グッズがあるのです。古墳アクセサリーや古墳カトラリー、古墳メモに古墳Tシャツ…それはそれは色々あるので、ぜひお気に入りを見つけてください♪
〔堺に恋して〕
古墳だけじゃなく、堺全般のお土産が欲しいならぜひこちら。
南海高野線堺東駅直結のショッピングセンター「ジョルノ」の1階にある、堺のお土産屋さん「堺に恋して」。
なんてキュンとする店名でしょう…♡
堺は古墳以外にも、包丁(刃物)やお香、浪華(なにわ)本染めが有名です。
こちらの古墳デザインのお香なんて、実に堺らしくて良いと思います!
そうそう、堺といえばこれも。
大阪人なら誰もが知ってる、「あたりまえだのクラッカー(前田製菓)」!!
これ、堺発祥のお菓子なんですよ!!
見たことないような種類もあって、これなら大阪人から大阪人へのお土産でもアリだと思います(笑)
そんな中、わたしが購入したのはこちら。
「モシカシタラこふん」と「ヤッパリコレこふん」
ネーミングがかわいい!
モシカシタラ…は、前方後円墳型に見えなくもない形のラスクで、ヤッパリコレ…は、はっきりと前方後円墳型をしているクッキーです(笑)
めずらしいのが、ラスクのお味。「メープル」と「黒糖くるみ」と、なんと「おこし」味!少し生姜を感じる味が、ほんとにおこし!大阪らしくておすすめです◎
所在地:堺市堺区三国ヶ丘御幸通154ジョルノ1F
TEL:072-246-9887
営業時間:10:00~20:00
定休日:なし
アクセス:南海高野線「堺東駅」直結
駐車場:ジョルノ内
3.古市古墳群のコーフンポイント
3-1.日本2位はここにあり!百舌鳥より古い古墳群
(上空北から見た応神天皇陵古墳〈羽曳野市教育委員会提供 〉)
古市古墳群には45基の古墳があり、世界遺産登録されているものだけでも26基あります。
百舌鳥・古市古墳群と言いながらも、やはり仁徳天皇陵古墳の存在感ゆえ百舌鳥古墳群の方が注目されがちですが、より歴史が古く、また歴史が長いのは古市古墳群です。なので、古墳にハマると古市の方が見どころがたくさんあって楽しいと思います。
とはいえ、私が熱く語りすぎてもドン引かれると思うので、たくさんある中から2つだけ、推し墳を紹介させていただきます!
①応神天皇陵古墳
(これは応神天皇陵古墳の外提。春には菜の花、秋にはコスモス畑になる)
長さ425メートルで、日本で2番目の大きさを誇る前方後円墳です。しかし、盛られた土の量では仁徳天皇陵古墳を上回るとされていて、見ごたえバツグンの古墳です。また、仁徳天皇陵古墳が3重の濠と2重の堤を持っているのに対し、応神天皇陵古墳は堀も堤も1重しかないため、墳墓自体がより近くに見えて、もはや…山。
車で阪神高速走ってて、松原線から西名阪自動車道へ進んで、藤井寺ICのあたりでめっちゃ山が近い!って思ったことありませんか。わかんないかな?(笑)
あれ、山じゃなくって、応神天皇陵古墳なんですよ。古市のあたりは、「えっ、山 近っ」て思ったらだいたい古墳です。まじで。
ですが拝所へ行ったら、ぜひ、葬られている人物へ思いを馳せてみてほしいのです…
ここに眠るは第15代・応神(おうじん)天皇…
仁徳さんのお父さんです。
応神天皇がスゴイというよりは、そのお母上にビックリエピソードがあるので、聞いてください。
アタシは住吉大社にも祀られてるくらい、すごいんだからね★
妊娠中に、ダンナと朝鮮半島を征伐しようってなったんだけど、ダンナが神さまのお告げ無視したせいで死んじゃって~。でも、ダンナなんていなくっても、母は強しだからね!もう臨月も過ぎてたけど、お腹に石巻きつけて産気づくのこらえて、アタシだけで征伐しちゃったの!
それから帰国して、生まれたのが応神ちゃん♡
アタシに似たのか、生まれたときからムッキムキだったの~(笑)
という母の元に生まれたのが応神天皇です。
『古事記』とか『日本書紀』とか、「難しすぎて意味わからん」と思われがちですが、案外読んでみるとビックリエピソード多くて面白いのですよ…(笑)
所在地:羽曳野市誉田6-11
アクセス:
近鉄南大阪線「土師ノ里駅」下車 徒歩17分
「古市駅」下車 徒歩21分
駐車場:なし
また、応神天皇は八幡神でもあるといわれています。
そう、全国津々浦々にある、八幡神社の神さまです。
応神天皇陵古墳のすぐ横には、誉田八幡宮(こんだはちまんぐう)があり、これは日本最古の八幡宮です。
ちなみに、八幡神(応神天皇)は昔は武運の神として武士たちに崇められていて、現在も《武運長久・勝利祈願・出世開運》といったご利益があります。パワー!!
(境内。拝殿・本殿がとても趣きがあって感動するので、ぜひお参りを!)
さらに誉田八幡宮では神功皇后も祀られていて、こちらのご利益は《安産》。エピソードを知ると、納得のご利益ですね(笑)
(この橋の向うは応神天皇陵古墳。毎年9/15の秋季大祭にのみ、神輿とともに天皇陵の領域(外提)に入ることができる。)
帰国後まもなく私は産まれたのですが、私に皇位が奪われると考えた異母兄に命を狙われたことがあります。しかし、そのときも母が守ってくれました。兄には気の毒ですが…神をも味方につける母に勝てる者などいません。
所在地:羽曳野市誉田3-2-8
TEL:072-956-0635
アクセス:近鉄南大阪線「古市駅」下車 徒歩10分
駐車場:あり
②白鳥陵古墳
なんとも美しいネーミングの古墳は、その姿も大変美しいです。
なみなみと満ちた濠に浮かぶ、まるで島のような古墳。
白鳥陵(はくちょうりょう)古墳の北側は世界最古の官道である竹ノ内街道が通っており、綺麗に整備された道は趣もあって、散歩にぴったりです。
さて、こちらの古墳は天皇の古墳ではありませんが、天皇家のお方が眠っています。
おおよそ歴史に詳しくなくてもその名を聞いたことはあるのではないでしょうか。
日本の英雄、ヤマトタケル――
超強くて、日本全国征伐しまくってきたお方なのですが、征伐後大和へ帰る途中に病に倒れ、亡くなってしまいます。
「ああ、大和へ帰りたい…」
ヤマトタケルの遺体は現在の三重県亀山市に葬られたのですが、タケルの魂は白鳥の姿となって飛び立ち、そして白鳥陵古墳のあるこの地で羽を休めたことから、この古墳が造られました。
(ちなみに、《羽曳野》という地名は、「ヤマトタケルの化身がまるで羽を引くように飛んだ土地」という意味が込められています◎)
なんとも切ないお話ですが、ここでタケルのお父上のお話も聞いてみてください。
実は、タケルには双子の兄弟がいたのですが…兄の方が少々わがままで、言うことを聞かずに引きこもってたもんですから、タケルに「ちょっと兄ちゃんの様子見て連れてきて」言うたんです。
そしたらまさか、タケルが兄貴を殺してしまってたんです…しかも素手で……!言うこと聞かんからって、そんな、殺さなくても、ねぇ…!?
ちょっと、タケルは力が強すぎて…ワシは怖くなって、都から離したんです…その有り余る力で、地方を征伐してくれたらいいな、とも考えて…
素手で双子の兄弟を殺めたタケルに、恐れをなした父…
ここで、タケルの話も聞いてみましょう。
僕は、天皇である父こそが絶対だと思っていたのです。だから、兄が父に反抗することが許せなかった。僕は父のためになるのならと征伐の旅に出かけました。九州を征伐して、やっとの思いで大和へ帰り…しかし、父は僕を遠ざけるかのように、すぐ次は北へ行けと言いました。もちろん僕は従いました。でも…大和へ帰るまでに力尽きてしまいました。
なんというか、美しいのと切ないのと恐ろしいのと、感情が忙しいエピソード…これがヤマトタケルという人物です。白鳥陵古墳を見ると、どうか安らかに…と思わずにはいられません。
(拝所の隣のお家なら、ベランダから古墳が見える…羨ましい)
所在地:羽曳野市軽里3-8
アクセス:近鉄南大阪線「古市駅」下車 徒歩11分
駐車場:なし
3-2.古市にもある、コーフングルメ
古市にも、古墳グルメはございます。白鳥陵古墳のほど近くなので、ぜひどうぞ!
〔パティスリーフラワー竹内街道軽里店〕
ふわふわのどら焼きのような形のチーズケーキ「マダム・ヨーコ」で有名なお店です。
南大阪に数店舗あって、基本はお菓子やパンを販売されているのですが、竹内街道軽里店ではおしゃれなカフェメニューもあって、ランチもお茶もできます。
どのメニューもお野菜たっぷり、ヘルシーで栄養満点で女子に嬉しいですね◎
どれもこれも美味しそうですが、私が注文したのはこちら。
「古市古墳群カレー(¥950)」!!
実に美しい墳丘…まさに白鳥陵古墳のようです!
おそらくたくさんの野菜やお肉が溶け込んでいる濠(ルー)は、あっさりしているけどスパイスが効いていて、甘いようでなかなか辛味もある、クセになるお味♪
添えられているお野菜は、時季によって変わります。シャキシャキのラディッシュやレンコン、小松菜など、おおよそ普通のカレーには合わなさそうなお野菜も、フルーティーな濠(ルー)との相性は◎
何よりのコーフンポイントは、こちらの窓際の席に座ると、白鳥陵古墳が見えること…!(フェンスの向こうは池。その向うにある山みたいなのが白鳥陵古墳)
こちらの店舗ではケーキも頂くことができます♪
もちろんテイクアウトもできますが、店内で食べるとアイスを添えていただけます♡
こちらはモンブラン…ではなく、「金剛山マロン(¥420)」。
モンブランはスイス。富士山は日本。大阪は…金剛山(笑)
白鳥陵古墳の右奥に見える金剛山を見ながら金剛山マロンを召し上がってください◎
栗の風味豊かなマロンクリームと、マロンカスタードとフレッシュ生クリーム、しっとりスポンジ生地…甘さは上品で、大阪だからといってけしてコッテコテなお味ではありません。チョコレートアイスも添えられて、コーヒーをセットでつけても790円。ケーキ自体しっかりボリュームもあるので、とってもお得です♪
でも…ほんとは、「古墳ケーキ」があるはずなんです…
が、この日は作られておらず…。めちゃくちゃかわいいので、ぜひチェックしてみてください!
所在地:羽曳野市軽里2-73-1
TEL:072-958-4444
営業時間:
店舗 9:30~19:00
カフェ9:30~17:00
定休日:なし
アクセス:近鉄南大阪線「古市駅」下車 徒歩14分
駐車場:あり
3-3.古墳グッズといえばここ!大蔵屋さん
古墳好きなら誰もが知ってる、古市古墳群の中心に位置する大蔵屋さん!!
ありとあらゆる古墳グッズを販売していて、全国の古墳好きが一度は訪れるお店です!
お店の外から埴輪で溢れていますが、一歩店内に入るとコーフンとときめきの嵐!
左上:古墳クッションや古墳ジオラマ、ブックカバーにキーケース。
右上:キュートなハニワの置物も♡
下段:マニア垂涎の古墳アクセサリー!こちら、Leobijou(レオビジュー)さん(Instagram:@loebijou2016)というアクセサリーメーカーが手掛ける古墳&ハニワアクセ。
大蔵屋さんの中でもかなり人気の商品。古墳の方はスワロフスキーが敷き詰められていて、一見緑のギラギラなんてハデかな?と思いますが、シンプルな服に合わせると上品に古墳が輝いてくれます!
そうそう、こちらではグッズの他に、埴輪作り体験もできます!
自分だけのオリジナル埴輪を作ってお土産にするのはいかがでしょうか♪
ちなみに、この日の私の購入品はこちら。
古墳ブローチと、ハニワクッキー付き古墳コーヒーと、御陵印帳です!
この古墳ブローチは、石塑粘土でいろいろなものを形取っていくアーティスト・カタドリさん(Instagram:@kata_dori)が作成されたもの。くすみカラーとマットな金色がおしゃれ♡
どうですか!シンプルなカーディガンの胸元に、優しいお色の古墳ブローチ♡
ちょっと人とは違うアイテムをつけたい人にはぴったりですよ◎
こんなに種類も豊富!!ちょっとビビットなピンクのハニワとか、ブルーの古墳、黄色の馬型埴輪もすてきで…全部かわいい♡
そして、サラッと登場しました、“御陵印帳”。
世間では神社やお寺でいただけるご朱印が流行っていますが、天皇陵を参っていただける御陵印というものもあるのですよ。御陵印は各御陵で頂くのではなく、全国5カ所にある宮内庁陵墓監区事務所に行くといただけます。
御陵印帳である必要はなく、一般のご朱印帳でもよいのですが、こちらの御陵印帳だと御陵の名前や所在地などの情報も書いてあるのでおススメです◎
御陵印帳はどこにでも売ってるものではなく、ご朱印帳に比べるとかなりのレアものです。
こちらの小学館が販売しているものの他は、京都の陵墓監区事務所の近くに売ってる…というウワサしか聞いたことがありません(汗)
なのでぜひ、大蔵屋さんで購入して、すぐ近くにある応神天皇陵へ参って、その横にある古市陵墓監区事務所で印を押してみてください♪
1つ押したら、絶対集めたくなりますよ…(笑)
所在地:羽曳野市誉田3-22-21
TEL:072-958-3344
営業時間:10:00~17:00
定休日:不定休
アクセス:近鉄南大阪線「古市駅」下車 徒歩10分
駐車場:あり
4.まとめ
というわけで、以上が大阪の世界遺産、百舌鳥・古市古墳群のご紹介でした◎
思ったより世の中には古墳グルメや古墳グッズがあることに驚かれたでしょうか、どうでしょうか。
古墳の楽しみ方は人それぞれです。
私は“埋葬されている人物に思いを馳せる”タイプなので、埋葬者が比較的ハッキリしている天皇陵を見るとコーフンします。
その人がどんな時代にどんな風に生きていたのか、歴史を知ってから古墳を見ると、コーフンもひとしおです。ほら、全然知らないアーティストのライブに行くよりも、そのアーティストにどんな経歴があってどんな人たちなのか知ってからライブに行く方が面白いじゃないですか。そんな感じ(笑)
でも、人によっては、“ただただ古いものにロマンを感じる”タイプもいますし、“古墳や埴輪の形に萌える”タイプもいます。
私は私のコーフンポイントでご紹介させていただきましたが、とにもかくにも、ピラミッドより近所の古墳!!
ぜひ一度、実際に足を運んで見ていただいて、自分なりの古墳の楽しみ方をみつけてみてください♪
2022年12月16日現在の情報
応神天皇陵、白鳥陵、仁徳天皇陵、履中天皇陵、反正天皇陵の写真掲載につきましては、宮内庁書陵部古市陵墓監区事務所の許可を得ております。
〈参考文献〉
・『百舌鳥・古市古墳群ガイド』
2020.2.25 初版第1刷発行
発行者 宗形康
発行所 株式会社小学館クリエイティブ
発売元 株式会社小学館
・『もずふる探検ガイド』
2021.2発行
発行 百舌鳥・古市古墳群世界遺産保存活用会議