旨いものだらけの大阪【黒門市場】あえて食べずにどれだけ楽しめる?
まずはじめにお伝えしておきます。
「旨いです。旨くないわけないじゃないですか!」と、
主張強めで居並ぶ、カニ・エビ・ウナギの高級魚介類の面々ですが……。
まったく、一口も、味わっておりません!!
なぜなら、あまりにも贅沢すぎて、手が出なかったからです。
「行った意味ないじゃないか!」と思う方がほとんどでしょう。
けれども、待ってください。
食べなくても十分楽しめましたから。
ちなみに、まったく食べてないというわけではないので、ご安心ください。
とにもかくにも、天下の台所・大阪を体感できる、観光地としても人気の「黒門市場」に行ってきました!
最寄駅は、大阪メトロ堺筋線・千日前線「日本橋駅」もしくは、近鉄難波線「近鉄日本橋駅」。千日前線なら隣の駅は、こちらも代表的な観光地の「なんば」です。
日本橋駅の10番出口を出て左へ。ちょっと行くと左側にペットショップがあります。
見つけたら上を見てみましょう!
「黒門市場」の文字が出現します!
ちなみに、黒門市場は明治時代「圓明寺(えんみょうじ)市場」と呼ばれていたそうです。
江戸時代、現在の市場の西側に圓明寺という黒い山門を持つお寺があって、商人がその門の前で魚を売っていたのがこの市場の発祥といわれているそう。黒門市場という名前も「黒い山門」からきているとのことです。
圓明寺の建物と山門ですが、明治45年に起きた難波大火で燃えてしまい、今はこの場所にありません。
けれども移転して、現在は照ヶ丘矢田(てるがおかやた)にあります。
さてさて、入り口をくぐるとこんな感じです。商店街の雰囲気もありますね。
お昼12時頃のランチタイム。平日だからでしょうか、比較的空いています。
入り口近くに並んでいたガチャガチャ。
気になることしかないのですが、スル―させていただきます。
目次
1.ウソ……ホタテがお饅頭みたいに見えるだなんて。
はい、出ました!ここだけでも市場の雰囲気が溢れんばかりです。
中央の焼き饅頭みたいなのがホタテですからね。
幅もすごいですが、厚みも相当です…。
お口が小さめの人では頬張れないのではないでしょうか。
私の大好きな貝柱が、いったいどれくらいの大きさなのか解明したい衝動に駆られますが、いかんせん贅沢品です。私が食べるにはまだ早いです。
焼きたてアツアツをふうふうして、貝柱をハグッとすると、ホロホロッと身がほぐれる。
身を噛みしめるごとに、ホタテの甘みがじんわりと染み出してくる…
あれ?これってもしかして、ヒモも一緒に食べたら、食感がミックスされてホタテならではのオイシイ楽しみ方ができるんじゃない?と、ヒモをするする引っ張りながら口に入れていく…。
という風に、想像でホタテを味わうというのも、市場の乙な楽しみ方ですね。
でも…正直、本当は食べてみたいです。
お店の奥は飲食店になっています。想像通りのホタテなのか確認したいです。
名残惜しいですが、本当に味わう日まで、さようなら。
2.松坂牛というものは見るだけで幸福だ。
市場というと海鮮のイメージがありますが、黒門市場はお肉もカバーしております。
しかも、かの有名な「松阪牛」。
とりどりに並んだ、松坂牛、松坂牛、松坂牛……
お値段もさすが松坂牛!貫禄がございます。
これほどのお値段のものが串に刺さっているのを見るのは、私はじめてです。
これを焼いたら、さぞかし周りの人が振り向くような香りがすることでしょう。
サシから染み出す脂は、なんでもない白飯を最後の晩餐にしてもいいような究極の一杯に仕立て上げることでしょう。
噛みしめれば、噛みしめるまでもなく、とろけることもあるでしょう。
牛串を取り囲むようにあるステーキ。
こんなステーキが食卓にのぼるような日が来るなら、テーブルマナーを覚えたり、ちょっとステキなナイフとフォークを揃えたり。
ずっと片思いだった人と初めてデートに行く前の準備期間のような、ひたすらな高揚感を覚えることでしょう。
いつかそんな日が来ますように。
鼻先をサーロインがジューッと焼ける香りがかすめていったような…。
そんな気分にとらわれながら、前へ進みます。
「おしゃれします」
そう、黒門市場は、おいしいだけではありません、おしゃれだってできるんです。
お洗濯だってできるんです。
となりには、文字だけで食欲をそそる「うなぎ」のノボリ。
黒門市場に住んでみたい、なんてワガママですか?
「どこに住んでるの?」
「市場よ。」
って、クールに答えてみたい。
3.メイン通りの誘惑に心ゆさぶられて。
さて、先ほどの「おしゃれします」を右に曲がると…
人がぎっしり!!
どうやらここがメイン通りのようです。
「新鮮です!」という声が聞こえてきそうなピッチピチのお刺身や海鮮丼が売られている鮮魚店があったり、「これでもか!」というほどマグロが盛り込まれたマグロ丼が食べられる専門店があったり。
「美味の宝庫」としか言いようがありません。
聞こえてくるのは、日本語よりも外国の言葉がほとんど。
外国人観光客の方々の一大観光スポットになっているのですね。
料理人の如く、といった感じでバーナーを操るお店のお兄さん。
ごぉごぉと炙られる、ご立派なタラバガニの脚。
パキッと関節で折って、ずるずるっと引き出した極太の身を、まるでビーフジャーキーのようにワイルドにくわえて市場を歩き回りたい。
「これなんだと思う?蟹だよ。いや、本物なんだよ、びっくりだろ?」
と心の中で意気揚々と自慢しながら…。
ふぐが出走を待つかの如く並んでおります。魚屋さんにふぐがこんなに並ぶことってあるんですね。
値段の違いが素人目にはまったくわかりません。
ただ、手前の英文をなんとなく訳してみると、
「フグはテイクアウトできるよ。中のレストランで食べると高くなるよ。」ということ。(合っているでしょうか)
フグを全部テイクアウトして、「今日は大漁だったぜ!」と、クーラーボックスのフグを妻や子供に自慢げにみせる父親ごっこがしたくなります。
……あまりに現実感のない光景だったので、現実離れした妄想をしてしまいました。
てっさ、ゆびき、からあげ、てっちり…
ずいぶん前に食べたフグコース。ここにあるフグで何人前できるのでしょうか。
ちなみに、ふぐは英語で“puffer fish”。
ほかにも“blowfish” “globefish”と呼ばれることも。
海外では馴染みの薄いフグをはじめてこの地で食べる外国人の方も多いでしょう。
ぜひ、これからの時期にぴったりのヒレ酒まで味わってほしいものです。
というか、私が呑みたいです。
さて、ここまで、見ることと、想像することだけしかしていません。
想像するだけでも、「美味しかったよ~」と、人に話せるくらいです。
でも、食べてないんです!!
正直、想像の域を超えていないので、本当のところがわからないんですよね…。
ただ、楽しかったことは事実です。こんなに楽しいお散歩はありません。
4.ついに、私の財布が開くときがきた。
さて、冒頭でもお伝えした通り、カニ・エビ・ウナギには、わたくし手を出して(出せて)おりません。
「帝王蟹」とは「タラバガニ」のこと。
私が一生のうちで食べるであろうタラバガニの量を優に超えているでしょうね。
余談ですが、黒門市場では、この極太タラバガニが贅沢過ぎて食べられない人のためになのか、
このように、カニ風味でおなじみの「カニカマ」が特大タラバガニの脚のようになったものを焼いて出してくれる店舗が結構あります。
いつか本物を食べることを夢見つつ、カニカマを食むのもまた一興です。
しかし、カニカマを最初に考えた人には、感謝しかありません。
おかげさまで、カニが身近なものになったのですから…(本物ではないとはいえ)
話を戻しまして、カニ・エビ・ウナギの贅沢なラインナップを揃えているのが「八十島(やそじま)」さん。
少なくとも今日の私にはご縁のないお店だろうと思いつつ、もうひとつのショーケースを覗いてみると…
!!!「¥500」!!!
まさかのワンコイン寿司が!どうやらサービス価格のようです。
お隣の普通サイズの握りよりも小粒ながら、いろいろなネタのお寿司がぎっしり詰まっています。
お寿司屋さんに行くまでは、あれもこれも食べようと思っているのに、いざ食べると結構すぐにお腹がいっぱいになって、いつも悔しい思いをする、という女性にぴったり。
あと、なんでしょ、ミニチュアサイズ好きですよね。なんでも小さくなるだけで可愛く見えるという魔法もあって、心を掴まれました!
こうして、黒門市場に来てはじめて、財布が開けられたのです。
住所: 大阪市中央区日本橋2-3-2
TEL:06-6775-8040
営業時間:8:30~16:30
定休日: 元旦
アクセス:黒門市場内・黒門会 ふぐの通り沿い
ついにゲットしたお寿司!
さて、どこで食べようかしらと迷っていたら、お店の方から休憩所があると聞いたので、道を先に進むと…
「FREE REST AREA」無料休憩所
「There is eating space」飲食スペースよ。
ありました!
トイレもあるんですね。食べ歩きする人は抑えておきたいスポットです。
中はこんな感じ。ちょっと大人数の会議が開けそうな席数。
この日は海外旅行者の方が多めでした。みなさん思い思いに買ったものを食べたり、休憩したりしています。
さて、いよいよ、黒門市場で初のお食事タイムがやってきました!
うへーーうまそうです!
こうしてアップにすると、ミニチュアサイズだなんてわかりませんね。
たまごが半分というところで、あれ?と思う感じでしょうか。
左上から
サーモン・白身・エビ・ホタテ
玉子・いくら・とびっこ・数の子
うなぎ・かにかま・いなり・がり
お寿司全11種類が勢ぞろいです。
ではでは、いただきます!
「おいなりさん」っていうより、「おいなりちゃん」って感じです。
当然、一口でパクリできます。
これ、当たり前ですが、本当においなりさんです!
小粒になった分、おいしさもギュッと凝縮されているような…。
ちゃんとお揚げもジューシーです。
なにしろ全部小さいので、パクパク食べれちゃいます。
普通サイズのお寿司だと、ちょっとペースを考えてしまいますが、
ミニサイズなので、「次どれにしよ?」っていう楽しみしかないです。
お正月付近にしかお目にかからない数の子さんもいらっしゃいます。
海苔の帯も良くお似合いです。
シャクッコリッという歯ごたえに、心がはずみます。
いくらちゃんも、小さくてもきちんと軍艦巻になっています。
美しいフォルムです。
ぷちぷちっと口の中でいくらがはじけるたびに、「寿司食べてる私」って気分になれて、ウキウキしちゃいます。
あっという間にペロリしました。
11種類もお寿司を食べられて500円!
しっかりお寿司を味わった満足感はあるのに、
まだ、お腹が適度に空いているという…
食べ歩きにはもってこいのサイズ。
このサイズのお寿司があったことに感謝です。
5.すみません、時間がないのでデザートにいきます。
実はこの後、打ち合わせがありまして。
向かわなければいけない時間が刻々と迫っておりました。
おでんやたこ焼き、カレーと、私でも手が出るお手頃価格のグルメもたくさんあったのですが、なにしろ時間がない!
でも、もう一声なにか食べたいと思っていたら…
何やらいろいろなものが置いてあるお店の一角に、うつくしい「あけび」が…。
久しぶりにみました。あけび。母が好きで、かなり遠い昔に食べた覚えがあります。
なんだかよくわからない種だらけの果実をもごもご噛むと、ほんのりと甘くて、あれ?思ったよりも美味しいなぁと…。
そんな思い出に浸っている間に、お店の人にすすめられるがままに外国の方が購入していきました。
と、あけびも気になったのですが、それよりも気になったのが、網で焼かれているフルーツ。
メロン、オレンジ、パイナップル、おいも…
おいもは想像つきますが、果物を焼くってよくわからない。
まったく想像がつかないものを食べるのは不安ですが、ちょっと想像がつくなら、ドキドキワクワクしますよね。
というわけで、打ち合わせ前に一番フレッシュな気分になれそうな「オレンジ(400円)」を選択!
さて、どんなもんだろうと待つことほんのちょっと。
受け取ったのが…
ドーーーーーーーーーン!
と、まさかの2つ。つまりオレンジ丸ごと1個!
それが割り箸に刺さっています。
表面のこんがり部分はなんでしょう?
私がオレンジを買ったのは「千成屋(せんなりや)」さんの中のお店。ほかにも、海鮮焼きやお寿司も売られていて、イートインスペースもあります。
ほかのお客さんが海鮮のいろいろを食べている中、私はドーンとフルーツをいただきます。
ピンぼけご容赦です。
気になっていた表面の焼き目ですが、スプーンでさわってみるとコンコンという手応えが。
ちょっとかじってみると、プリンにかかっているカラメルの味が。
そう、砂糖を焦がしたものだったんですね。(違ってたらすみません)
お皿が発泡スチロールのトレイじゃなかったら、とんでもなくオシャレなデザートになれる一品です。
さて、フルーツを焼くとどうなるかというと…
きっと、もともと甘いオレンジがより甘さを増す!
そして、あったかデザートとして成立する!!
キンキンに冷えたオレンジだと、夏はいいけれど、秋から冬にかけてのぬくもりが欲しい季節には、ちょっと冷たい…。
その日は、小雨の降る肌寒い日だったので、なおさら。
そんなときだったからこそ、ちょっとあたたかい、あまいオレンジがちょうどいい感じ。
これが意外とボリューミー。オレンジを食べ慣れていないので、なおさらだったのかもしれませんが。
二人で半個ずつシェアするのがおすすめです。
1個のオレンジを半分ずつ分けるって、なんか初恋って感じでいいですよね!
住所: 大阪市中央区日本橋1-21-6
TEL:06-6631-6322
営業時間:9:00~23:00
定休日: 年始のみ
アクセス:黒門市場内・親栄会 えびの通り沿
そんなこんなの黒門市場。
にぎやかな場所に行くと元気になれるタイプの人には、もちろんおすすめ。
そんなに人混みが得意ではない人も、中には落ち着いて食事を楽しめるお店もあるので、いろいろ回ろうとは考えずに、ピンポイントでそういうお店を狙って行くのもまた良しです。
旅行の行程に組み込むなら、早くに閉まってしまうお店も多いので、近くのホテルに前泊して、朝から食べ歩きするのがイチオシです!
あえて食べずにどれだけ黒門市場を楽しめるかというと、全然楽しめます!
想像力を働かせると、食べた気にもなれます!
けれども、やっぱりグルメを実際に味わうに越したことはありません。
お高めなグルメもお得なグルメも、鮮魚もお肉もフルーツも。
求めるものがきっと見つかる黒門市場。
行くたびに、「次のお給料が出たらこれを食べに来よう」「あの人の誕生日のお祝いは奮発してこれにしよう」と、楽しみが増えていく…。
黒門市場が近くにあったら通っちゃうな~…と思った次第です。
まだ黒門市場に行ったことがない方は、ぜひ、お楽しみを見つけに繰り出してみてください!
私は、黒門市場チャンスがまた訪れたら…タラバガニの脚とビールのコラボを堪能したいです!
一人じゃなくて誰かと…。オレンジをシェアさせてください!!